ワセリン除去は仙台中央クリニックに
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液状ワセリンとは
液状ワセリンは機械油として使用される液体で、比較的容易に入手できます。液状ワセリンを自己注入して陰茎増大を行う方がいらっしゃいます。友達や先輩などが注入していることを知り、自分も入れてみたいと思い、安易な気持ちで注入することが多いようです。しかし年月を経て、トラブルになることが少なくありません。多くのトラブルが報告され、ワセリン除去のお問い合わせをいただいています。
ワセリンを入れて数年後に変化
ワセリンはそのボリューム、あるいは異物反応により生じる肉芽が半永久的に残ることを期待して注入されるものですが、年月を経過して、腫瘤となり石灰化をきたし、硬くなってしまうことがあります。数年後に変形などの合併症が少なくありません。ワセリン除去は可能ですが、難易度の高い手術になります。
液状ワセリンによる陰茎増大手術
陰茎増大のために、陰茎に液状ワセリンを注入することは、リスクを伴う行為です。注入直後は、増大効果が認められ、美容的に優れることが多いのですが、数年を経過して陰茎が変形していくことがあります。また数年を経て、異物性炎症を起こし、陰茎の発赤、腫脹、疼痛、異物圧迫感などを認めることもあります。
ワセリンによる皮膚壊死
ワセリンの注入により、感染や異物反応が引き起され、皮膚壊死を生じることがあります。ワセリンは皮膚組織に浸透し血液の流れを妨げることがあります。血管やリンパ管の中に異物が入ると、それが原因となって血液の流れが止まり、詰まった場所に壊死が引き起されることがあります。
ワセリンによる膿の蓄積
ワセリンは生体にとって明らかな異物であり、それを排除しようとしてさまざまな生体反応が起こります。ワセリンが強い異物反応を引き起こし、皮膚が炎症を起こし、それに引き続いて膿の蓄積をきたすことがあります。細菌感染が起こった場合は、膿を排出し、ワセリンを除去する処置が必要になります。
ワセリン除去の手術
注入した液状ワセリンは、吸い出すことが出来ません。また、溶解することもできません。そのため陰茎が変形した場合や、しこりを形成した場合には、手術で除去する必要があります。皮膚など自分の組織も一緒に除去しなければならないため、注入したすべてのワセリンを完全に除去できないこともあります。また切開した傷の癒合が遅れることが多く、傷の離解に注意が必要です。傷が離解した場合には長期の通院が必要となることがあります。
ワセリン除去のリスクやデメリット
- 内出血を生じることがあります。
- 血腫を認めることがあります。
- 陰茎や亀頭の知覚障害を生じることがあります。
- 傷が目立つことがあります。
- 痛みが続くことがあります。
- 細菌感染を伴うことがあります。
- 傷が剥解することがあります。
ワセリン除去ビフォーアフター症例写真
症例経過
40年前に、陰茎増大のために液状ワセリンを注入した症例です。数年後から陰茎の変形が進行しました。いびつな形になり、包皮が伸びて、剥け難くなりました。排尿や包皮内の洗浄が困難になったこと、陰茎の変形や違和感、剥けなくなることへの不安を感じてワセリン除去を検討しました。診察したところ、陰茎はワセリンによる不自然な隆起を形成し石灰化、包皮は弛み完全に被って包皮口の縮小も見られました。ワセリン除去と包茎手術を行いました。余剰包皮を切除することで、広範囲に渡りワセリン除去ができるため、包皮の修正とワセリンの除去を同時に行い、亀頭を露出させました。
症例解説
過去には、陰茎増大のためにワセリンなどの炭化水素系注入物や、シリコンオイルやシリコンジェルなどのシリコン系注入物が用いられていました。いったん体内に入ってしまうと完全に取り除くのは不可能で、元通りに戻すことは困難です。ワセリン癒着の酷いもの、数十年経って石灰化している場合は、一部残ってしまいます。また、異物が引き金となって免疫に異常をきたすことがあり、安易にワセリンなどの異物を注入することは危険です。ワセリン除去には、傷が離解するデメリットやリスクを認めることがあります。手術前に十分説明を受けてください。